● 内側鈎状突起分離症 |
内側鈎状突起分離症というのは大型犬の成長期に多い病気です。原因として考えられているものの一つに前足の骨の成長のアンバランスが言われています。具体的にご説明しましょう。肘から手首までの間には橈骨と尺骨という2本の骨があります。その2本の成長に差がでれば当然長さに差ができます。大型犬種の前足にかかる力はとても強いというのは想像していただけると思うのですが、その力は本来2本の骨で支えるべきなのにその2本の骨の長さが違ったらどうでしょう?力は長い方の骨に集中してかかります。そして限界を超えた力がかかった部分は割れてしまいます。そしてしばしば黄色矢印で示した部分、解剖学的な言葉で内側鈎状突起という部分が割れてしまうのです。そして割れた骨片は関節内で痛みや変性を起こします。これが内側鈎状突起分離症と呼ばれる病気です。
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このロットワイラーの女の子は、左前足を時々上げると言うことで来院されました。身体検査では左足の肘関節部分で痛みがあるようでしたので、成長期の大型犬で見られる病気の可能性があることをお話し、検査へと移りました。
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レントゲンでは肘関節面の骨硬化像(レントゲンで白さが強い部分:黄色三角)が認められました。また肘の滑車部分のなめらかさが失われていることが示唆されました。この段階で内側鈎状突起分離症という病気の疑いが強いと判断し、将来的に変形性関節症(本来なめらかな関節面に骨棘という骨のとげができたりして痛みが生じる病態)に進行する可能性、精密検査及び治療の必要性をお話させていただきました。 |
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| そして精密検査、治療を兼ねて麻酔下で関節鏡検査を行いました。 |
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| 敷石のように骨の表面が浸食されているのがわかります。 |
| そこで手術で骨の長さをそろえることで更なる関節の変性を防ぐ、そしてすでに変性した関節面を綺麗するという治療を選択しました。 |
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←左の図が手術を行った後のレントゲン写真になります。
変性した関節面は関節鏡下で綺麗にしました。
また黄色矢印部分で尺骨の骨切りを行い、骨の長さをそろえました。
そして上記の検査、手術ののち3日後には退院する事ができました。 現在ではときどき足を上げることはあるものの元気に過ごされているそうです。
内側鈎状突起分離症は大型犬の成長期の子に多い病気であり、進行性の病気になります。もし前足を痛がったりするようでしたら一度ご相談ください。 |
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