ネオ・ベッツVRセンター
Neo Vets Co.,ltd.
カンファレンストップページ | 最新の症例報告
症例報告

● 犬の輪部メラノーマ

眼球に発生するメラノーマは臨床現場でよく遭遇する腫瘍です。メラノーマといえば悪性と考えられることが多いのですが、発生場所と動物種によってその悪性度はかなり異なります。通常犬の眼内のメラノーマは良性が多いとされています(結膜は悪性度が高いとされています)。そのうち輪部(角膜と強膜の境)メラノーマは強膜におこるもので、眼球のメラノーマのうちの20-52%を占めるとも報告されています。好発犬種はジャーマン・シェパードが挙げられます。治療方法として凍結手術、Nd-YAGもしくは半導体レーザーによる光凝固術、β放射線療法、外科的摘出などがあります。輪部メラノーマは通常良性でありますが、局所浸潤が進めば眼球摘出が必要になることもあります


下記の動画を閲覧するにはWindowsMediaPlayerのプラグインが必要です。


WindowsMediaPlayerdダウンロード

症例

ジャーマン・シェパード、避妊メス、5歳齢の患者です。1ヶ月前から左眼背外側に黒色のマスが認められるとのことで来院されました。初診時の眼科検査では左眼輪部の2時の位置に黒色のマス病変が認められ、強膜と角膜に浸潤が認められました。(図1)
 眼内炎症や眼圧上昇は認められず、威嚇反射も正常でした。隅角鏡検査では虹彩、隅角への腫瘍の浸潤がないことが確認できました。(図2)
犬種、場所、色調から輪部メラノーマと仮診断しました。
再発の可能性の低い方法として、腫瘍が存在する強膜と角膜を全層摘出する方法を選択し、切除場所に保存角膜を移植する方法を行なうことにしました。
【図1】
【図1】
【図2】
【図2】

術式

腫瘍を含む強膜、角膜を全層で摘出しました。術中の所見ではブドウ膜への浸潤は認められませんでした。眼内に粘弾性物質を注入し、虹彩の脱出を可能な限り防止しながら、トリミングしたグリセリン保存角膜を7-0バイクリルにて単純結紮と連続縫合にて移植しました。結膜を剥離しフード状に移植角膜上に縫合しました。

術式の動画
(Windows Mediaファイル形式:約38.2MB)

 

経過

虹彩の前癒着と前房内にフィブリン析出が認められました(図4)が、フィブリンは術後5日後には退縮しました。この時点で退院されました。術後虹彩の変形が見られるものの眼圧亢進や眼内炎症は認められません。術後3ヶ月になる現在でも再発は認められていません。(図5)
【図4】
【図4】
【図5】
【図5】
 このページの一番上へ戻る
Copyright© 2001-2006 Neo Vets Co.,Ltd, all rights reserved.